Affected me ~私に影響を与えたもの~vol.4 麹町皮ふ科・形成外科クリニック 理事長 苅部淳先生:『内面+外面+精神面の三美容』 まだ日本にはないアプローチで本当の美容医療をやりたい。

※自費研オンラインの記事を転載しています。(自費研オンライン https://jihiken.jp/

SSF×自費研の自費研online 新連載の第4弾!

夢を実現したい想い、好きな事を追求する意志、迷っている未来、……誰もが人生の岐路に立った時に立ち返る、少なからず影響を受けた物、事、人をお持ちなのではないでしょうか。そこで、これから自費診療業界を担っていく注目の先生方にスポットライトを当て、どのようにして今があるのか、様々なエピソードを交え熱い思いや将来への希望を語って頂く「Affected me~私に影響を与えたもの~」の連載をスタートいたしました。
皆さまに少しでも次の行動に繋がるヒントになれたら幸いです。

数ある美容クリニックの中でも余り見かけない、美容を軸に内科・精神科などのスペシャリストの先生方とのコラボレーションで美容医療を提供している苅部淳先生。患者さんの外面と同時に、体の中、心から共に美しくある美容医療とは?その実態を探ってみようと思います。

小学生の時に読んだ漫画に衝撃を受け、少なからず今の自分があるんだなと思います。

Q. 今回は、先生にとって影響を与えた人であったり、物、事などをお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。

実は医者を志したきっかけは手塚治虫の作品かなと思っていて、「ブラックジャック」とか「ブッタ」「火の鳥」を読んで、子供なりに生命感や倫理観、医者が人を救うことの意味、そういうところにすごく惹かれたんだと思います。環境的にも両親が医者だった事も大きいですね。それと、今の治療に一番関わっているとすると、祖母が健康に対してとても熱心な人で、食育だったり健康のあり方などをすごく教えてもらいました。梅干しや野菜作りなど、『全部手作りでなければ体に毒だよ』という考え方が結構体にしみ込んでいると思います。そこから派生して予防医療がやりたいと思った時に、一番近かったのが美容医療でした。やはり、皆さんをきれいにする部分においても健康を守りたいというのが一番にあって、美しくなるにはどう生活を変えていったらいいのか、患者さんの日常にも良い影響を与えられるのが医師の仕事、という部分で今の自分があるのかなと思っています。

Q. クリニックのモットーでもある、内面・外面・精神面の部分ですね。他にも先生は保険診療もされていらっしゃいますね。

そうですね。内面と外面と精神面の三美容ということですけれど、うちの両親は心療内科医で、心の専門家なんです。今、ちょっとした不眠とか気分障害も抱えている美容の患者さんも非常に多くて、美容医療できれいにすることで後押しはできても根本解決ではないんですね。患者さんの精神面までアプローチしてゴールをそこまで持っていくことは、とても大事なことだと思っています。
僕のクリニックは美容だけに留まらず、必要であれば保険診療で心療内科の治療や、栄養面の食事管理から睡眠の管理まで精神科の先生と一緒に治療をしています。これはまだ日本にはないアプローチだと思います。
美容皮膚科も美容外科も、内科・外科・精神科も全部医療という括りで区別はしていないです。その方がどうなりたいのか、どんな治療がしたいのか、環境や生活スタイルまで一緒に考えて治療することは、患者さんにとって本当の美容医療になるはずですし、そういった医療をやりたいと思っています。

患者さんと医師がお互いにいい影響を与え合う人間関係。医師がしっかり患者さんを支えていける美容医療。

Q. 治療する際に、先生と他科の先生とでどのようにコラボレーションされているのですか?

基本的に、患者さんに応じてそれぞれの先生がエキスパートの中で専門性を発揮されています。例えば、なぜ精神科の先生を?と聞かれますが、栄養療法や、睡眠外来は美容医療にかなり直結しています。よく寝られるようになれば肌の乾燥やシワがかなり50%は改善するんですよ。睡眠不足だとどんな美容医療をやろうと戻りませんし老化が加速しますよね。そういった意味でも、皮膚科、形成外科、心療内科や麻酔科の先生方と一緒にやっていくというところが他の美容医療とちょっと違うアプローチですね。

Q. 先生と患者さんとのコミュニケーションや治療で、何か大切にされている部分があればお伺いしたいと思います。

患者さんが病院に来るまでのプロセスはすごく大変で、色々な悩みを抱えて来院されます。シミ一つをとっても実は全然違うところに背景があるんです。患者さんに寄り添ったコミュニケーションがとても大切で、悩みを見極めて最良のステップに繋げていかないといい医者とはいえません。だから僕は時には1時間も2時間もかけてヒアリングをします。そして治療の他にも、アドバイスとして睡眠や食事から運動指導まで全部しています。
医者は、患者さんのその後の人生にも影響を与えるわけですよね。逆に、患者さんからも色々な影響を与えてもらえる人間関係は我々の糧にもなるし、それは決してお金で得られないことです。ここは深い部分で、医師は努力して勉強してあらゆる学問を網羅してしっかり患者さんを支えていくという意識が大切な部分だと思っています。

Q. なるほど…美容医療は深いですね。先生ご自身は、普段はどのように生活されているのでしょうか?

学生の時からそれはずっと考えていて好きだったし、自分の趣味を仕事にしているし天職だと思います。自分にとっても健康が基本でそれを維持するというのは、ある種ストイックであるべきで、ジムに行ったり食事は1日1食だし、ほとんど野菜しか食べないし(ちょっと辛いけれど)、自分のプラスになるなら適度なストレスも大事なので、それをやりながら成長していくというのはアスリートと一緒です。楽して美と健康はあり得ないし、食事、睡眠、運動、毎日の積み重ねだからそれを肝に銘じて日常を送っています。本当に変身したいんだったら自分で努力するしかないですしね。

僕のアイデンティティの中にある「環境」と「医療」はものすごく密接で、これからは自分の体は自分で守っていく時代なんです。

Q. それでは最後の質問になりますが、今後の展望をお聞かせください。

やはり、内科や予防医療と美容医療の架け橋となって世界へ広げていきたいというのが僕の夢です。世界中が今後未曾有の少子化社会、高齢化社会傾向で、アメリカなどは半数以上が保険に入れず、今回のコロナでも亡くなった方の多くが保険に入っていない人達ですよね。
僕は子供の頃、オランダに住んでいた事もあり必然的に環境問題に関心があります。風力発電や火力・水力発電、リサイクルなど、地球温暖化を避けるための工夫した生活が僕のアイデンティティの中にあって、環境と医療というのがすごく密接になっています。
病気の元はほとんどが生活習慣が原因ですし、食事と運動が保たれれば老化もしにくいし、きれいでいられるということを大前提に、美容外科の先生達が美容医療を広めてくれたら嬉しいんです。

Q. そのような柔軟な視点での「予防医療」として、具体的にどのような事をお考えでしょうか?

はい、僕は今サラダの会社と一緒にサラダを提供して、医療機関に向けての供給システム作りをしています。自分のクリニックでも野菜サラダの販売を行っていますが、近隣の人達にいいものを食べて欲しいというのが予防医療に繋がるので、農地やサラダ会社に全部出資しています。それに、野菜はCO2を吸収して地球温暖化の予防にもなりますし、何より自然の形で栽培する安全な野菜というのがすごく大事です。食事と環境と医療というところの架け橋になれたらと思っています。
これからは、再生医療の分野はもちろんですが、誰もが参加できる健康ビジネスとヘルスケア産業がすごく伸びると思っています。やはり、健康に携わる専門家が医者ですから、自分の専門分野をしっかり持って医師がそれを主導していく意味は大きいと思いますね。

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ありがとうございます。とっても納得できて素敵なお話でした。

麹町皮ふ科・形成外科クリニック
https://kojihifu.com/

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