【勉強会レポート】今日からできる!クリニックの評判を守る誹謗中傷対策セミナー

近年、美容クリニック業界では、SNSやGoogleマップの口コミなどを利用した誹謗中傷が深刻な問題となっています。
事実無根の書き込みや悪質な投稿は、クリニックの評判を著しく損ない、集患にも大きな影響を及ぼします。

今回、SSFでは顧問弁護士である弁護士法人美々法律事務所本多一貴弁護士を招き、「クリニックの誹謗中傷対策」をテーマに勉強会を開催しました。
本コラムでは、その勉強会の内容を、クリニック経営者の皆様がいますぐ実践できるよう、要点をまとめてお伝えします。

 

法人と個人の「名誉毀損」の違いを理解する

 

誹謗中傷への法的対応を始める前に、まず「誰が」被害を受けたのかを明確にすることが重要です。

  • 法人の場合:会社そのものが誹謗中傷の対象。主に「名誉毀損」が法的措置の対象となります。法人は人間ではないため、「侮辱」や「プライバシー侵害」は原則として適用されません。
  • 個人の場合:医師やスタッフが誹謗中傷の対象。「名誉毀損」「侮辱」「プライバシー侵害」「肖像権侵害」など、より幅広い権利侵害に対する法的措置が可能になります。

投稿内容が、クリニックと個人(医師・スタッフ)のどちらに向けられているかによって、取るべき法的手段が変わることを理解しておきましょう。


 

誹謗中傷対策の「初動」が勝敗を分ける

 

誹謗中傷を発見した際、最も重要なのは「初動」です。

  1. 冷静な対応を最優先する
    • 悪質な書き込みに対し、感情的に反論したり、直接コンタクトを取ったりするのは絶対に避けるべきです。反応することで相手をさらに挑発し、事態を悪化させるリスクがあるためです。
    • まずは、「淡々と事実のみを述べる」ことを徹底しましょう。
  2. 証拠保全は「スピード勝負」
    • 誹謗中傷の投稿は、削除されてしまうと法的措置が難しくなります。
    • 発信者情報の保存期間は3ヶ月が目安とされており、迅速な対応が不可欠です。
    • 投稿を見つけたら、すぐに投稿内容、日時、URLをセットで記録してください。最も推奨される方法は、投稿画面をURL付きでPDF保存することです。

 

削除と特定:法的措置のステップ

 

証拠を確保した後は、以下のステップで法的手続きを進めます。

  • ステップ1:コンテンツプロバイダーへの開示請求
    • TwitterやGoogle、ブログ運営会社など、投稿が掲載されている「コンテンツプロバイダー」に対し、発信者情報(IPアドレスなど)の開示を請求します。
  • ステップ2:アクセスプロバイダーへの開示請求
    • コンテンツプロバイダーから開示されたIPアドレスをもとに、発信者が利用した通信会社(NTT、ソフトバンク、KDDIなど)である「アクセスプロバイダー」に対し、発信者の氏名や住所などの個人情報の開示を請求します。

これらの手続きは裁判所を通じて行われます。また、投稿内容の削除は、裁判所が判断して強制的に行われるため、ハードルが高いのが現状です。まずは発信者を特定することに注力するのが、有効な戦略となります。

特定が成功すれば、相手と直接交渉し、投稿の削除や謝罪、損害賠償などを求めることが可能になります。裁判所での和解金額は、名誉毀損の場合で通常50万円〜100万円程度が相場となっていますが、ケースによっては増額することもあります。

 

まとめ:クリニックを守るための第一歩

 

悪質な誹謗中傷は、クリニックの信用を揺るがす重大な問題です。しかし、感情的にならず、冷静に法的対応を進めれば、名誉を回復し、再発を防止することも可能です。

投稿を見つけたら、まずは「反応しない」「証拠を保全する」「弁護士に相談する」という3つの行動を最優先してください。クリニックの評判を守るためにも、早めの対応を心がけましょう。

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